矯正の検査②(模型)|奈良市の矯正歯科|おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺

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矯正の検査②(模型)|奈良市の矯正歯科|おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺

矯正の検査 口腔模型

本日は矯正の診断時に口腔模型で何を調べているかを説明させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口腔模型で観察すること

口腔模型では、叢生量(ガタガタの量)、臼歯関係、前歯の被蓋関係、歯列の形態や対称性等を見ます。

 

①オーバージェット(OJ)とオーバーバイト(OB)

OJ(オーバージェット):上下顎前歯の前後的な距離 

OB(オーバーバイト):上下顎前歯の垂直的な距離

 

 

 

出っ歯の人ほどオーバジェットは大きくなり、受け口の人ほど小さく(-になる)なります。

 

 

 

 

 

 

 

オーバーバイトが著しく大きい場合過蓋咬合(ディープバイト)とよび、オーバーバイトがマイナス(垂直的に全く噛み合っていない)の場合を開咬(オープンバイト)と呼びます。

 

 

②大臼歯関係(Angleの不正咬合の分類)

 

上顎歯列に対する下顎歯列の前後的な関係を6歳臼歯の咬合関係によって評価します

 

 

 

AngleⅠ級:上下顎歯列が正常な関係。

 

 

 

 

 

 

AngleⅡ級:下顎歯列が上顎歯列に対して標準より後方にあるもの。上顎前突(出っ歯)の方に多い噛み合わせです。

 

 

 

 

 

 

AngleⅢ級:下顎歯列が上顎歯列に対して標準より前方にあるもの。下顎前突(受け口)の方に多い噛み合わせです。

 

 

 

 

 

 

③叢生量(そうせい)

叢生量とは歯列に綺麗にここの歯を並べるためにはどれだけスペースが足りないかを数値化したものです

叢生量は、歯を並べることのできる骨の長さ(図の赤線)から個々の歯の幅の総和を引いて算出します

 

 

 

 

 

 

 

つまり赤線の長さと青線(歯の幅の合計)が一致すると叢生量0になり過不足なく歯列内に歯が並ぶ状態になります

日本人(アジア人)の場合、青線の量が赤線より大きくなり、歯のガタガタや、歯が前方に転位して骨の端に並んでいるだけの人が多いです。

逆に赤線の方が青線より大きい場合、スペースが余っている空隙歯列となります。

 

 

空隙歯列(スペースが余っている状態)

 

 

 

 

そのほかにも歯列の幅の計測なども模型で行います

 

 

歯列弓幅径

 

 

 

④トゥースサイズレイシオ

もう一つあまり知られていませんが、模型計測でとても重要な項目としてトゥースサイズレイシオがあります

トゥースサイズレイシオとは上顎の歯の大きさの合計と下顎の歯の大きさの合計の比率です

 

 

 

 

 

 

 

 

図のように上顎の歯の幅の合計(赤矢印の合計)と下顎の歯の合計(青矢印の合計)の比率を算出して、下顎の合計が上顎の合計の約9割であれば、理想的であり、しっかりと奥歯が噛み合った時に前歯も理想的な噛み合わせになります。

 

 

理想的なトゥースサイズレイシオであれば、奥歯や側方の歯をしっかりかますことができると、前歯にも理想的な咬合が付与できます。

 

 

 

 

 

 

一方トゥースサイズレイシオに問題がある場合・・・この患者さんは、上顎の2番目の歯が先天的になくて3番目の歯を2番目に並べました。2番目の歯よりも3番目の歯の方が大きいので、トゥースサイズレイシオに不調和が生じてしまいまい(この患者様は78パーセント)、前歯部が噛まなくなっています。

 

 

このように上下の歯の大きさの比率は、噛み合わせにとても重要です。特にアライナー矯正治療で、歯を並べる隙間をつくるために歯の隣接面を削る際、上下の歯の大きさの比率をしっかりと調べることが重要になります。

 

このように模型だけでも、たくさんの情報がわかります(ほかにもたくさんの審査項目があります)。

適切な妥協のない診断が、良好な歯並びや、咬合、長期安定に繋がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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