不正咬合の予防③永久歯列期の予防
最後に永久歯列期の予防について勉強します。永久歯列期では歯の萌出が完了し、顎骨の成長も終了している(成人では)ため、機能の回復や維持が重要になってきます。
歯周病の予防
歯周病によって、歯を支えている歯槽骨が破壊されていくと歯は病的な移動を起こしてしまします。重度の歯周病に罹患してしまうと、奥歯が近心(前方)に倒れてきたり、下顎前歯の叢生(ガタガタ)や前歯の前方傾斜など様々な不正咬合を発症してしまいます。また、いざ矯正治療によって歯並びを整えようと思っても、歯の移動が制限されてしまう、歯茎が下がりやすくなる、安しにくくなる、など治療結果を妥協せざるを得なくなるため、歯周病の予防は重要です。
奥歯の萌出異常への対応
12歳臼歯(7番目の歯)や親知らず(8番目の歯)の萌出スペース不足は、奥歯の不正咬合の原因になります。萌出様式の関係で上顎では萌出スペース不足によって頬側(外側)に転位し、下顎では舌側に転位します。結果的に奥歯のハサミ状咬合を呈してしまいます。また水平に倒れている親知らずによって12歳臼歯の根っこが吸収してしまうこともあるので、前方の歯が綺麗に並んでいるかといって油断はできません。12歳臼歯の萌出異常の早期発見が重要になり、治療には開窓・牽引などの専門的な技術が必要になります。