不正咬合(上下顎関係の異常)
不正咬合の種類
・個々の歯の位置異常
・数歯にわたる位置異常
・歯列弓形態の異常
・上下顎関係の異常
不正咬合の中でも本日は上下顎関係の異常について勉強しましょう
上下顎関係の異常とは、土台となる上顎と下顎が前後的、垂直的、側方(左右)にズレている状態です
前後的な異常
上顎前突症(出っ歯)
上顎前突症には二つのタイプがあります
このように理想的な成長のラインを赤線で示し、そのラインに上顎下顎ともに到達した状態が理想的な上下顎の成長だとすると
左のように上顎の成長は正常だが下顎が劣成長で、出っ歯になっているタイプ(下顎後退による上顎前突症)、上顎の過成長による出っ歯(上顎前突症)
どちらのタイプかによって診断、治療方針、装置が全く違ったものになるため注意が必要です
下顎前突症(受け口)
下顎前突症にも同じように二つのタイプがあります
左は下顎の過成長による受け口(下顎前突症)右が下顎の成長は標準的だが上顎の劣成長によって受け口(上顎の劣成長による下顎前突症)になっているタイプです。
下顎前突症も同じく2つのタイプで診断、治療方針、装置が全く違ったものになるため注意が必要です
垂直関係の異常
過蓋咬合
前歯が正常被蓋を超えて深く噛み込んでいる状態
開咬
数歯に渡って上下の歯が接触していない状態
側方(左右)関係の異常
交叉咬合
上下の歯列が左右的に交叉している状態
鋏状咬合
上の歯と下の歯がすれ違って咬合面が合わさっていない状態
(飯田順一郎他.『歯科矯正学 第6版』.医師薬出版株式会社.2019年,95P)
このような上下の顎の関係の異常が見られた場合は、できるだけ早く専門のクリニックでみてもらうことをお勧めします。放っておくと重症化し将来外科的矯正治療が必要になったり、顎関節症を発症する恐れがあります。