成長発育③上顎と下顎の成長
本日は、小児矯正治療の際に特に知っておかないといけない上顎と下顎の成長について勉強しましょう。
上顎の成長
上顎は、成長発育①4つのパターンで勉強した、ように上顎は生まれてすぐに成長していく脳に近いため(神経系に近い成長を示す)、下顎より先に成長し、成長の終わりも早いです。
7歳〜10歳ごろに旺盛な成長を示し、12歳の時には90%成長が完了しています。
成長の方向は脳頭蓋骨に対して前下方に成長していきます。
下顎の成長
下顎は、全身の骨や筋肉に近い成長を示す(一般型に近い)ため、思春期(12歳ころ)に旺盛な成長を示し、15歳〜17歳くらいまで成長します。
成長の方向は上顎と同じく前下方です。
下顎の成長は成長に主に関与するのは、顎の関節のジョイント部分である下顎頭部です
上下顎の成長を利用するには・・・
このように上顎骨の成長は思春期の成長期(12歳頃)にはピークを過ぎており、上顎骨の成長のコントロールはそれよりも早い時期に行わないといけません。
一方、下顎骨は思春期に身長が伸びるタイミングで同じように成長し、その後も緩やかに成長が持続していきます。
成長期の上顎前突症(出っ歯)の治療
一言で上顎前突症と言っても、色んな種類の上顎前突症があります、その中でも大きく二つのタイプがあります
このように理想的な成長のラインを赤線で示し、そのラインに上顎下顎ともに到達した状態が理想的な上下顎の成長だとすると
このように上顎前突には2つのパターンがあります
左の下顎の成長が少ないタイプは下顎の成長が旺盛な時期、つまり思春期前から矯正治療によって下顎の成長を促進する子ことによって上顎前突を改善します。右の上顎の成長が大きいタイプは上顎の成長が旺盛な時期、つまり10歳頃までににこれ以上成長しないように上顎の成長を抑制しないといけません。
成長期の下顎前突症(受け口)の治療
下顎前突も同じように2タイプに分かれます
左の下顎の成長が大きいタイプは下顎の成長が終わる15歳頃まで下顎の成長を抑え続けないといけません、右の上顎の成長が小さいタイプは上顎の成長が旺盛な7歳から10歳頃に上顎を前方に引っ張て、成長を促進しないといけせん。
※下顎前突の治療は、何よりも反対になっている前歯の被蓋を改善して、顎の成長を軌道に乗せるや、受け口の原因となっているも原因を取り除くことが重要です。
このように上下の顎の成長の時期のずれや、タイプをセファロ分析などでしっかり診断して治療することが大切です。