矯正の検査
矯正治療の検査とは?
患者さんの病態をより客観的な情報として診断や治療に役立たせるために、精密検査を行います。
検査の種類
検査には顔面、口腔内写真撮影、口腔模型(印象採得)、画像検査があります。
今回はその中でも写真撮影(顔面・口腔内)について説明させていただきます。
顔面写真は主に正面、笑顔、側貌の3枚を撮影し、それぞれについて下記の内容を評価します。
Ⅰ 顔面写真
①正面
・輪郭の特徴
・対称性
・口腔周囲筋やオトガイの緊張の有無
②側面(側貌)
・口元の審美性の評価
・前歯歯軸の傾斜の程度や上下顎骨の前後的位置関係
・形態的特徴(軟組織を介して)、顎角部形態や下顎下縁の傾斜
③スマイル
・前歯の垂直的な位置の評価
・顔面正中と歯列正中のズレ
Ⅱ 口腔内写真
口腔内写真は
正面、左右側面観、上下咬合面、あおり、開咬状態等を撮影して評価します。
口腔内写真は、歯、歯列弓、咬合状態、歯周組織、舌、口腔周囲軟組織の状態から口腔清掃状態まで多くの情報を読み取ることができます。
患者さんにしっかり咬合してもらい(咬頭嵌合位)口腔内全体が観察できるように、しっかりと撮影します。口腔内写真は術前術後だけでなく、治療中の経過の確認のために何回か撮影させていただきます。変化を比較しやすいように、毎回できるだけ同じアングルで撮影できるようにします。
写真だけでもこのようにさまざまな患者さんの特徴がわかります。
また術中や術後の比較をするのにも役立ちます。当院スタッフは写真撮影の専門的なトレーニンングをつんでおりますが、精密な診断や評価のために、写真の撮り直しをお願いすることもございますが、ご容赦いただけると幸いです。
飯田順一郎 他.『歯科矯正学 第6版』.医師薬出版株式会社.2019年,436P