矯正歯科治療の種類
年齢別矯正治療
矯正治療には大きく分けて乳歯と永久歯が混在している時期に開始する一期治療(子供の矯正)と二期治療(大人の矯正)とに分かれます。
一期治療(子供の矯正)
目的:永久歯が萌出する前に問題を解消し、歯列や骨格の正常な発育を促すために行う
・早期治療(予防矯正)・・・乳歯列期の治療(〜6歳頃)
・一期治療(抑制矯正)・・・混合歯列期の治療(7歳〜12歳頃)
さらに一期治療(子供の矯正)には乳歯列期や下顎前歯が萌出し始める頃までの治療である早期治療(予防矯正)と呼ばれるものがあります。乳歯列期の早期治療(予防矯正)では矯正装置の使用にも限度があるため、早急な治療が必要な症例のみを慎重に判断して開始します。
*反対咬合(前歯が反対に噛んでいる)
*交叉咬合(部分的に上下の噛み合わせが反対になっている状態)
*口腔習癖が原因の開咬
上記のように放っておくと重症化するような状態がある場合は、小さいお子様でも使用しやすい装置を使用して治療にあたります。
混合歯列期(7歳頃から)の一期治療(抑制矯正)は顎の成長が旺盛で、永久歯の萌出に伴い、種々の不正咬合が徐々に発現してくる時期です。不正咬合の初期にその原因を取り除いて正常な咬合に誘導させたり、不正咬合の軽減化をはかる治療を行います。
上記問題の改善のために様々な装置を適切なタイミングで使用します。混合歯列期の後半になると顎骨の成長などに働きかけるることなどが限られるため、基本的には永久歯萌出の定期的な経過観察の期間となります。
二期治療(大人の治療)
永久歯列を対象とする矯正治療
目的:口腔機能回復と回復した機能の維持
一般的には永久歯列萌出完了後に悪い歯並びを綺麗に治し、安定させる治療のことを言います。
*ワイヤー矯正
・唇側矯正
・舌側矯正
*マウスピース型矯正治療(インビザライン)
大きくワイヤー矯正(唇側・舌側)とマウスピース型矯正治療とがあります。
それぞれの利点や欠点、適応症などは当院ホームページ診療案内(https://nakayamaortho.com/medical/)をご覧ください。
また大人の二期治療(大人の矯正治療)には、成人を対象とした成人矯正があります。成人の方の矯正治療の場合、多かれ少なかれ歯周病に罹患している方が多かったり、口腔内にすでに修復物が入っていたり歯が一部欠損してる場合等があり、歯の移動や治療方針自体に制限があること多くなります。また成人の方の場合は矯正治療に対する潜在的な心理をよく確認させていただき、患者様の望んでいる治療をできる限り提供することに努める必要があると思います。
飯田順一郎 他.『歯科矯正学 第6版』.医師薬出版株式会社.2019年,436P
氷室 利彦 他.『歯科衛生学シリーズ 歯科矯正学』.医師薬出版株式会社.2023年,194P
監修
おとなとこどもの歯並び
中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 院長
中山 雄司(なかやま ゆうじ)
経歴
- 2012年3月
大阪歯科大学卒業 - 2018年3月
大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了 - 2019年4月
大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教 - 2021月4月
大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任 - 2021年12月
日本矯正歯科学会認定医取得
資格・所属学会
- 歯学博士
- 日本矯正歯科学会認定医
- 日本矯正歯科学会
- 近畿東海矯正歯科学会
- 日本舌側矯正歯科学会
- 日本顎変形症学会
- 近畿矯正歯科研究会
- 日本顎関節学会
- 日本歯科医学教育学会