骨格性下顎前突症の治療(顎変形症・外科的矯正治療)
初診時
■主訴 | 歯のガタガタと受け口 |
■診断名 | 顎変形症に起因する骨格性下顎前突症 |
■初診時年齢 | 20歳5ヶ月 |
■期間 | 3年2ヶ月 |
■装置 | 表側の矯正装置 |
■抜歯部位 | 上顎第一小臼歯(前から4番目の歯) |
■費用 | 約60万(保険診療) |
※顎変形症に起因する骨格性下顎前突症→矯正治療単独での咬合の改善や顔貌の調和をはかることが困難なほど著しく上顎に対して下顎が前方に位置している症例
※矯正歯科治療によって生じる併発症(治療上のリスク)として、歯根吸収、う蝕、顎関節症、歯肉退縮、歯髄炎等があります。また治療結果、期間等は個人差があります
※治療経過の年月はおおよそのものです
治療開始
上顎の叢生(スペース不足によるガタガタ)と唇側傾斜の改善のために、上顎の左右の第一小臼歯(前から4番目の歯)を抜去してレベリング(歯の排列)開始
半年後
上顎前歯の排列スペースの確保のために犬歯(前から3番目の糸切り歯)の遠心(後方)移動を行なっっています
1年後
下顎にも装置をつけてレベリングを開始しています
1年半後
犬歯の遠心移動が終了したので上下とも残りの歯にも装置を装着して再レベリング(再排列)していきます
2年後(オペ前)
手術直前です、手術前矯正治療の目標である、歯列の排列と歯軸の適正化、上下顎の幅径(横幅)の一致が達成でき、いよいよ外科手術です。手術の直前は前歯の歯軸の適正化に伴い、反対被蓋や受け口の程度が大きくなります 😥 しかし逆にそれだけ顎の移動量が大きくなり側貌の改善が図れるということです。一生ものの歯並びと理想的な側貌を得るために少しの辛抱です。
2年半後(オペ後)
手術で下顎の後退をすると一気に被蓋と噛み合わせが改善します。筋肉の力で顎が元に位置に引っ張られてしまうので、リハビリのために患者さんにはしばらくの間ゴム掛けを頑張ってもらいます。
3年後(終了)
ディテーリング(細かい噛み合わせの調整)を行なった後、装置を外して終了しました。
術前、術後の比較
主訴であった前歯のガタガタと反対被蓋が改善し、緊密な咬合を獲得することができました。顎変形症の治療は顔貌の変化も大きいため、患者さんが一番喜んでくださる治療かもしれません。安心・安全な治療のために、精密な検査と診断を行い、リスクとベネフィットについてしっかり説明させていただた後治療にあたらせて頂きます。顎や噛み合わせのズレにお悩みの方は、一度お気軽にご相談ください。
監修
おとなとこどもの歯並び
中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 院長
中山 雄司(なかやま ゆうじ)
経歴
- 2012年3月
大阪歯科大学卒業 - 2018年3月
大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了 - 2019年4月
大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教 - 2021月4月
大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任 - 2021年12月
日本矯正歯科学会認定医取得
資格・所属学会
- 歯学博士
- 日本矯正歯科学会認定医
- 日本矯正歯科学会
- 近畿東海矯正歯科学会
- 日本舌側矯正歯科学会
- 日本顎変形症学会
- 近畿矯正歯科研究会
- 日本顎関節学会
- 日本歯科医学教育学会