口腔習癖除去装置(タングクリブ)
今回からは機能的矯正装置についてみていきます。
機能的矯正装置とは、口腔周囲の筋肉働き(力)などを利用して歯並びや骨格の改善を行う装置です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正のように矯正材料の力ではなく患者さんの筋肉の働き(力)に依存した矯正治療になります(受け身の矯正)。
その中でも本日は、習癖除去装置のタングクリブについてみていきます。
基本構成
飯田順一郎 他.『歯科矯正学 第6版』.医師薬出版株式会社.2019年,225P 図16ー12
このように取り外し可能なタングクリブの場合、床矯正装置にクリブが装着されている。
固定式の場合はリンガルアーチ等にクリブがついている。
作用機序・使用方法
クリブによって物理的に舌を出せなくなるし、指も吸えなくなります。そのため口腔習癖の防止と不正咬合の改善につながります。しかしクリブの使用と並行して、患者さんに口腔習癖に対する理解と動機づけは重要です。MFT(口腔筋機能療法)も並行して行わないと根本的な改善にはなりません。
適応症
指吸や舌突出癖により開咬を呈している、混合歯列期の患者さん(軽度から中程度の開咬が適応、骨格性の重度の症例には本装置では改善は難しい)。
監修
おとなとこどもの歯並び
中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 院長
中山 雄司(なかやま ゆうじ)
経歴
- 2012年3月
大阪歯科大学卒業 - 2018年3月
大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了 - 2019年4月
大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教 - 2021月4月
大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任 - 2021年12月
日本矯正歯科学会認定医取得
資格・所属学会
- 歯学博士
- 日本矯正歯科学会認定医
- 日本矯正歯科学会
- 近畿東海矯正歯科学会
- 日本舌側矯正歯科学会
- 日本顎変形症学会
- 近畿矯正歯科研究会
- 日本顎関節学会
- 日本歯科医学教育学会