不正咬合の原因④その他の原因
不正咬合の原因の最後は、その他どんなものが原因としてあるかみていきます
虫歯や歯周病による永久歯の喪失
虫歯や歯周病により永久歯が萌出すると、歯列の連続性が失われるばかりでなく、隣の歯が倒れてきたり、対合の歯の過剰な萌出を招きます。咬合が崩れてきて、食渣が停滞しやすくなり、さらに虫歯や歯周病になりやすくなるという悪循環を引き起こします。
永久歯の喪失により臨在歯の傾斜を招いている症例
顎関節障害
成長期に顎関節の外傷などによって、患側の成長障害が起こり、下顎骨の変形や非対称の原因となる。顎を激しくぶつけた既往がある、顎が非対称に成長してきた気がする場合は早期に専門のクリニックの受診をおすすめします。
鼻咽腔疾患
鼻詰まりや扁桃腺の肥大等、鼻疾患があると正常な鼻呼吸が妨げられ、口呼吸になってしまします。口腔習癖のところで勉強したように口呼吸が長時間継続すると、口唇平素不全、上顎歯列の狭窄や前歯の唇側傾斜、下顎が時計回りに回転したアデノイド様顔貌を呈します。
口呼吸によりアデノイド様顔貌と狭窄歯列
歯ぎしり
歯ぎしりによる強すぎる咬合力が咬合性外傷を引き起こし、歯が傾いてしまったりします。
様々な不正咬合の原因について勉強しましたが、単一の因子によって発症するものではありません。形態的な不調和、成長発育のズレ、そして生体内外の刺激が不正咬合発生を発生させます。不正咬合の原因を考える時に、それらの原因がどのように影響を及ぼしあっているかをしっかり観察し理解することが重要になります。