急速拡大装置
本日は上顎骨を拡大するための固定装置である急速拡大装置について見ていきましょう。
急速拡大装置は固定式の装置で、拡大ネジによって顎整形力を上顎骨に作用させ、正中口蓋縫合を離開させ上顎骨の側方拡大(骨格的な)を行うための装置です。
基本構成
基本構造(当院使用タイプ)は真ん中の拡大ネジと、維持バンドとそれらを連結する金属線から構成されます。またネジを回転させるためのキーが必要です。
作用機序・使用方法
1日に1もしくは2回ネジを回すことで少しずつ(約0.25mm)拡大していきます。
離開した縫合部の骨化(骨を作る)のために拡大後3〜5ヶ月の保定期間が必要。
注意事項
適応症
正中口蓋縫合部が完全に骨化すると、拡大することが難しくなるため18歳ころまでの上顎歯列の狭窄した症例が適応となる(最適時期は8歳〜15歳)。
急速拡大装置はプレート対応の拡大床とは違い、骨格的な拡大ができるため本当の意味での拡大装置と言えると思います。
監修
おとなとこどもの歯並び
中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 院長
中山 雄司(なかやま ゆうじ)
経歴
- 2012年3月
大阪歯科大学卒業 - 2018年3月
大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了 - 2019年4月
大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教 - 2021月4月
大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任 - 2021年12月
日本矯正歯科学会認定医取得
資格・所属学会
- 歯学博士
- 日本矯正歯科学会認定医
- 日本矯正歯科学会
- 近畿東海矯正歯科学会
- 日本舌側矯正歯科学会
- 日本顎変形症学会
- 近畿矯正歯科研究会
- 日本顎関節学会
- 日本歯科医学教育学会