歯の移動の実際（トルク）

今回は歯の移動様式のうち、比較的難易度の高いトルクについてみていきましょう。

トルクとは歯冠を中心として歯根を動かすことです。

ワイヤー矯正が得意な動きです

前歯の後方移動の時のトルク

トルクのコントロールが最も重要になってくるのが、小臼歯を抜去して前歯を後方に牽引する時です

 

 

写真の症例は前歯部にトルクをあまりかけずに前歯を後方に牽引してしまった症例です。歯根が取り残されて、前歯部が垂れ下がってしまっています。このように前歯を牽引してまうと、前歯が垂れ下がってしまい、うまく後方に前歯が移動できないため側貌の改善もできません。

前歯の牽引時にはトルクをしっかり入れて歯根も後方に移動することが重要です。

ワイヤー矯正で前歯部にトルクを入れる

 

 

唇側矯正でも舌側矯正でもワイヤーをねじったり、カーブをつけることでぜ前歯部にトルクをかけます。

マウスピース矯正（インビザライン）で前歯部にトルクを入れる

マウスピースでトルクを入れるにはパワーリッジと呼ばれる、マウスピースの内側の凹みを利用して歯根の遠心移動を行いますが、まだまだ効率的な歯根の遠心移動はできないため、歯科矯正用アンカースクリューを併用するなど試行錯誤している段階です。

トルクを入れて歯根を遠心に移動できれば

しっかりと歯根を遠心に移動することで歯槽骨も後退させることができ、口元や側貌の改善を行うことができます。一生に一度の矯正治療について、しっかりと考えてみてください。