矯正力
矯正の力は作用様式による分類として、①持続的な力②断続的な力③間歇的な力の3つに分類されます。それぞれどのような力かみていきましょう。
①持続的な力
矯正力をかけると、その矯正力が弱まっていくスピードが遅く、次の来院時まで矯正力が作用しているような力
ワイヤー矯正のワイヤーや歯を動かすためのゴムやバネなど、矯正の材料のほとんどがこの作用様式です。矯正力として理想的な力と言えます。
②断続的な力
矯正力をかけるとその力が急激に弱まっていくような力のことをいいます。
拡大するときに使用するネジなどが含まれます。
③間歇的な力
図のように装置を装着している間は矯正力が働き、外すと作用しないといったように、作用と中断が繰り返される力です。
自分でつけ外しする装置が含まれます。
矯正治療による歯の移動様相
『歯科矯正学 第6版』.医師薬出版株式会社.2019年,131P 図7−12
ワイヤー矯正の場合一般的に来院間隔は1ヶ月間隔になります。なぜかというと図のように矯正力をかけるとすぐに歯槽骨や歯根膜がたわむことによって少し動きます。その後はの移動には停滞期よばれる歯の移動を止める組織変性が起こり、その後に以前勉強した歯槽骨の吸収と構築が進行して歯が移動して行きます。早く矯正治療を終わりたいからといって2週間間隔で来院してしまうと・・・まさに停滞期の期間であるため歯の移動があまり起こってない状態での来院になり、とても非効率です。また強すぎる力を加えると停滞期は長くなってしまいます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン等)の移動様相
一方マウスピース型矯正装置は1週間や10日ごと、早ければ5日間ごとにマウスピースを交換していきます。これはマウスピース矯正がどちらかというと断続的な力によって歯を移動させていくことによるものだと思います。
矯正治療における様々な力について理解した上で実際歯を動かしていくことが重要だと思います。