目次
骨格性下顎前突症の治療(表側の矯正)
初診時
■主訴 | 下の前歯のガタガタ |
■診断名 | 叢生を伴う骨格性下顎前突症 |
■初診時年齢 | 20歳11ヶ月 |
■期間 | 3年2ヶ月 |
■装置 | 表側の矯正装置 |
■抜歯部位 | 上顎第一小臼歯(前から4番目の歯) |
■費用 | |
└検査・診断料 | 8万円 |
└矯正料金 | 60万円 |
└毎回の調整料金 | 6千円 |
※矯正歯科治療によって生じる併発症(治療上のリスク)として、歯根吸収、う蝕、顎関節症、歯肉退縮、歯髄炎等があります。また治療結果、期間等は個人差があります
※治療経過の年月はおおよそのものです
半年後:下顎歯列のレベリング(排列)と犬歯の遠心(後方)移動
下顎歯列のレベリング(排列)と前歯排列スペース獲得のために犬歯(3番目の歯)の遠心(後方)移動を行なっています
1年後:下顎右側大臼歯(奥歯)の遠心(後方)移動
近心(前方)に転位(位置がずれていること)している下顎右側大臼歯(奥歯)の遠心(後方)移動のために、下顎右側側大臼歯部に埋入した歯科矯正用アンカースクリューからパワーチェーン(鎖状のゴム)によって、下顎右側大臼歯の遠心移動を行なっています
1年3ヶ月後:上顎歯列のレベリングと犬歯の遠心移動
上顎歯列のレベリングと犬歯の遠心移動を行なっています
1年半後:下顎前歯のレベリング
下顎右側大臼歯の遠心移動が終了し、右側大臼歯関係が改善したため、下顎前歯部にもブラケットを装着し、下顎前歯のレベリングを開始しています
2年後:下顎前歯のリトラクション(後方移動)
下顎歯列のレベリングが終了して、下顎前歯のリトラクションを開始しています
2年半後:上顎のスペースクローズ
上顎のスペースクローズ(隙間を詰めること)を行なっています
3年後:ディテーリング(噛み合わせの微調整)
ディテーリング(噛み合わせの微調整)を行なっています
3年2ヶ月後:終了
装置を外しました。骨格性下顎前突症のため、外科的矯正治療も検討しましたが、患者様の希望もあり、入念な診断と慎重な歯の移動により、著しい歯肉退縮なども無く、緊密な咬合を獲得し終了することができました
術前、術後の比較
主訴である下顎前歯の叢生(ガタガタ)が改善され、緊密な咬合を獲得できました。骨格性下顎前突症などの顎のズレがある場合、外科的矯正治療の必要も出てきます。顎のズレが許容範囲であるかどうか、一般的な矯正治療のみで顎骨の位置に対して適切な位置に歯の排列可能であるかどうか等、綿密な診断が必要になるため矯正専門のクリニックの受診をお勧めします
監修
おとなとこどもの歯並び
中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 院長
中山 雄司(なかやま ゆうじ)
経歴
- 2012年3月
大阪歯科大学卒業 - 2018年3月
大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了 - 2019年4月
大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教 - 2021月4月
大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任 - 2021年12月
日本矯正歯科学会認定医取得
資格・所属学会
- 歯学博士
- 日本矯正歯科学会認定医
- 日本矯正歯科学会
- 近畿東海矯正歯科学会
- 日本舌側矯正歯科学会
- 日本顎変形症学会
- 近畿矯正歯科研究会
- 日本顎関節学会
- 日本歯科医学教育学会